光ヶ丘病院 納涼祭

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創立30周年 記念祝賀会

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創立30周年記念 光ヶ丘病院介護教室

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特別寄稿 ほほえみ第57号(平成23年7月号)

『笠島學先生の若き日』

  慶應義塾大学外科 元教授  都築 俊治

 21世紀に入ってからはや10年余が経過しました。空想科学小説の話と思われていた宇宙探索が現実化し、神秘と考えられていた生命の問題も驚異的な速さで解明されつつあります。新しい情報は情報技術の進歩によって全世界に急速に拡がるようになり、社会は大きく激しく変わりました。遥けくも来つるものかなとの感慨とともにかつて一緒に仕事をした人々の活躍に心をよせるこの頃です。
 笠島學先生と私の出会いは今から36年ほど前にさかのぼります。笠島先生は慶應義塾大学医学部を昭和47年3月に卒業された後、外科学教室に入局されました。慶應の外科には6年制の卒後研修制度がありますが、後半の3年間には研究期間があり、希望する研究グループに入って研究をすることになっております。当時できたばかりの肝臓グループに入られ、昭和50年5月から私と一緒に肝がんの研究をすることになりました。その頃、肝がんは治らない病気とされていましたが、何とか治療できないものかと少数の先駆的施設で肝切除が行われておりました。がんの手術成績を論ずる場合には切除されたがんがどれくらい進行したものであるかを一定の基準によって判定しなければなりません。そのためには肝がんがどのような方式で進展するのかを明らかにすることが必要です。そこで切除例と剖検例について、その進展方式を病理学者と共同で調べて欲しいとお願いしました。笠島先生は真摯に、着実に課題に取り組まれ、肝がんの主な進展方式は門脈・肝静脈に腫瘍栓を作って非がん部に転移をつくることであることを明らかにされました。この綿密な研究の成果を土台にして昭和58年4月に日本肝癌研究会編「臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約」(初版)が上梓され、肝がんの治療成績が全国で統一した基準で報告されることになりました。研修を修了後、静岡赤十字病院を経て高岡市に戻られましたが、御尊父とともに病院の建設を進めながら富山医科薬科大学(現富山大学医学部)第一外科において山本恵一教授(現名誉教授)のご指導を仰ぎ、肝がんの進展方式についての学位論文によって医学博士の学位を受けられました。若き日の笠島先生は静かな情熱をもって開拓期の肝臓外科の一翼を担われたのでした。
 今年7月には、光ヶ丘病院の誕生を第一歩とする医療法人社団紫蘭会が創立30周年を迎えられるとのことをお慶び申し上げます。地域に必要とされる安全で質の高い医療やケアを提供すべく真摯にとりくまれ、また実現するために多数の有能な人材を育成しておられることに感服しております。貴会がますます発展されますことを心から祈念いたします。

 

 

『都築先生との思い出』

    理事長 笠島 學

 慶應外科に入り、まだ未知の世界であった肝臓外科を選び、助教授時代の都築先生に出会えたことは本当に幸運でした。先生は冷静に着実に、個々の手術例を非常に丁寧に扱われ、手術経験から得た臨床研究の着眼点はオリジナリティに富んでいました。慶應肝臓外科の黎明期を支えた6学年7人で毎年ご夫妻を囲む「都築会」を開催していますが、傘寿を迎えられ、益々お元気な先生のお顔を見るのが楽しみです。

巻頭言 ほほえみ第57号(平成23年7月号)

 3月に発生した東日本大震災から3ヶ月が経過しましたが、日本中に暗い影を落としています。当院から派遣が決っていた災害医療チームが中止になったのは残念ですが、私どもとしては募金や医療介護ボランティア派遣、被災者や被災職員の受入れなど可能な限り協力を惜しみません。

 

 さて、4月から3ヶ月間、日本慢性期医療協会認定病院を目指して2つの病棟で実績を集積している最中です。質の高い慢性期医療を提供するのは当然の使命であり、士気も高く、着々とデータを集積していますが、認定希望病院が多いので、認定審査日程が大幅に遅れる恐れがあります。私は4月に永生病院に審査員の1人として10年ぶりに訪問しましたが、安藤理事長率いる憧れの永生病院の底力を肌で感じました。

 

 日本慢性期医療協会から新しい医療区分の提案があり、当院医療療養病棟で試行してみたところ、従来よりもむしろ高い点数となりました。恐らく、重度の認知症の方や重症患者を多く受け入れているのが高点数になった一因でしょうが、医療も介護も重症である患者を治して帰すことが必要だという協会の「想い」を肝に銘じて、活動していきたいものです。県から指定されている医療系ショートステイ枠を更に増やし、増員した訪問看護を充実させ、在宅や施設で療養している方の急変時の受け入れを積極的に対応したり、重症患者でも在宅生活ができるよう自動吸痰装置を購入・活用するなど、地域の在宅療養との架け橋になるよう精進していくつもりです。

 

 患者ニーズに応じて、5月から介護病棟を減らし、医療療養病棟を実質4床増やしました。3次元画像も得られる16列CTの導入と同時にレントゲンのフイルムレス化を実現する予定です。また、多数の医療機関からご紹介のある訪問リハビリに6月からSTを参入させて、多様な在宅ニーズに対応していきます。

 

 この号が発行されているであろう7月2日には創立30周年を記念して、午後から創立記念介護教室として認知症認定看護師の林主任と私が講演し、夕刻からは今までお世話になった医師・師長さん方を交えて、内輪の記念パーテイを開きますが、和やかな中に身を引き締めて、地域医療福祉に貢献する新たな出発点にしたいと思っています。

 

紫蘭会理事長  笠島 學

巻頭言 ほほえみ第56号(平成23年2月号)

 今年は昭和56年7月1日に光ヶ丘病院が誕生してから創立30周年という節目の年にあたります。これからの医療・介護は、急性期基幹病院に資源を集中投資して医療崩壊を防ぐと共に、地域で安心して療養生活が送れるよう、24時間巡回型訪問サービスやサービス付き高齢者住宅の整備など在宅を重視し、地域連携で支える「地域包括ケアシステム」が目指す方向に進めようとしているのでしょうが、現実は、富山県のように平成10年をピークに人口減が続いており、働く世代が減少し老々介護や高齢者単独世帯の急増など家庭で療養生活を送ることが困難になりつつある中で、在宅重視が貫けるのか疑問ですし、財政不足ばかりが前面に出て、選挙を意識した負担先送りの不毛の議論に終始し、将来像が見えてこない感があります。

 

 少子高齢社会が一段と進み、大企業が高齢者市場に本格参入し、中小医療福祉系法人の淘汰が予想される中で、我々のような慢性期医療や介護を主体とする法人がなすべきことは、医療やケアの質の向上を図る殊に尽きると思います。やる気と向上心を持って日々研鑽するとともに、患者・利用者さんを温かい心で包んであげ、「光ヶ丘病院・おおぞらにきてよかった」と言われるように、安全で質の高い医療・ケアを提供し続けるのは当然です。そのためには、何度も言いますが、一つ上の資格を目指して欲しいものです。去年は感染症管理と認知症の認定看護師が誕生し、ケアマネージャーは通算70名を超え、呼吸療法士5名、認知症ケア専門士8名、医療介護福祉士7名になりましたが、いろんな資格に挑戦して欲しいと思っています。ケア職の方は全員、介護福祉士を目指して下さい。働きながら学ぶ10名超の看護学生が初志貫徹できるよう全面的に応援します。また、看護・介護の指導者研修や様々な研修会に積極的に参加して欲しいし、法人はやる気のある人の援助を惜しみません。今年の慢性期医療と全日病の全国大会に3題ずつ発表することや老健大会の発表は決めてありますが、他の学会での発表も期待しています。地域住民の多様なニーズに対応できる信頼される法人となる為に、とかく日常業務を漫然とこなすだけになり勝ちですが、職員一人一人が取得した資格を生かして、常に初心に戻って、より良い医療やケアはどうあるべきか真摯に考えながら患者さんに接して欲しいと願っています。

 

 私は、良質な慢性期医療は今後益々必要とされると確信しています。病院では、従来より在宅患者の急変時や医療系ショートステイを積極的に受け入れ、入院患者さんの全員リハビリ施行に心がけていますが、医療も介護も必要な重症患者さんも多数受け入れています。現在、人工呼吸器装着者が3病棟で9名と過去最高台数が作動しています。人工呼吸器が必要になるかもしれない神経難病、食道瘻や腸瘻、トコズレ(褥瘡)を有する方など他院では対応困難な患者さんも受け入れるつもりです。

 

 また、訪問看護師の増員や、STによる通所リハビリでの摂食嚥下訓練に加えて、新たに訪問リハビリにSTの参加や訪問リハビリの増員などの在宅医療の強化をする予定です。そして、遅ればせながら、IT化に着手し、院内ランから始めて、オーダリングシステムの導入を考慮しています。

 

紫蘭会理事長  笠島 學

巻頭言 ほほえみ第55号(平成22年9月号)

 今夏は酷暑が続き、体調を崩された方も多かったことと思いますが、この号が発行される頃には、少しは過ごし易くなっているでしょう。最近の嬉しいニュースは、光ヶ丘病院から二人の認定看護師が誕生したことです。県内で複数の認定看護師がいるのは、公的病院以外では、当院が始めてです。慢性期医療が主体の病院での取得は全国でも珍しいことで、法人全体が活気付いています。頑張った吉田主任(感染管理)と県内初取得の林主任(認知症)に拍手とエールを送りたい。リハビリ部門等でも認定制度があるので、やる気のある職員は、二人に負けじと上級資格に挑戦してほしいものです。当然のことながら、法人では給与面も含めて全面的に支援します。

 

 さて、光ヶ丘病院が開設して30年になるのを機会に、初めての地域交流夏祭りを開催しました。日曜の午後に「デイケア光ヶ丘」を会場として行ないました。開会を告げに町内や病棟内を巡ったチンドンの笑いを誘う軽快なメロディ、血管年齢・肺年齢体験コーナー、ポップスバンドの演奏、職員による老後がテーマのコント、ドスコイ体操、ビンゴゲーム、飲食コーナーなど全てが好評だったようです。大勢の地元住民の皆さんが来場していただき、感謝しております。介護教室や健康教室とは勝手が違い、戸惑いもありましたが、多数の職員ボランティアのパワーに癒されました。病院の花壇整備など地元のご協力に感謝していますが、今後も地元を大切にする法人でありたいと思っています。

 

 春に診療報酬の改訂があり、病院機能の明確化、在宅・連携重視が謳われていますが、当院は診療報酬上では、わずかとはいえ評価されました。温もりとやさしさを持って、常に医療やケアの質の向上を目指し、医療も介護も必要な重症患者を積極的に受け入れ、訪問リハビリなどでの医療福祉にまたがる地域連携を一層進めていくつもりです。今春から、当院の医療系ショートステイが県の助成の対象となりましたが、3ヶ月間での実績は11件、延べ46日の利用者でした。気管切開等を有する若年障害者を含めた在宅患者さんが、安心して地域で暮らせるよう、いつでもショートステイ用の病床を確保しておくつもりです。

 

 8月下旬の慢性期医療学会と10月の全日本病院学会には、法人より3題ずつ発表します。参加者は、やる気と向上心をもって、貪欲に知識を吸収し、伝達講習などで全職員のレベルアップが図れるように学会参加を生かして欲しいものです。

 

衆参のねじれ国会で法案が通らないという混沌とした政治が当分続き、介護病棟の廃止など、不安要素もありますが、こういう時期こそ長期的展望を持って、地域での法人の果たすべき役割・方向性を熟慮し、どっしりと構えて、ブレない運営をしていきたいものです。

 

紫蘭会理事長  笠島 學

認定看護師2名が誕生しました

平成22年6月 当院に2名の認定看護師が誕生しました!

看護学生が13名になりました

平成22年4月からの当院の看護学生(正、准)は13名であり、働きながら通学しています。
当院では、看護師育成の支援体制が充実しています!!

緊急ショートステイ病床事業を開始しました

平成22年4月 緊急ショートステイ病床(2床)が県より認定を受け事業を開始しました。
介護者の急用・急病などでお困りの時はお問い合わせ下さい。
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