特別寄稿 ほほえみ第49号 (2008年1月号)掲載

特別寄稿 ほほえみ第49号 (2008年1月号)掲載

2008.01.01

『山本恵一先生(富山大学名誉教授)との思い出』

 

 私が母校で6年の研修を終えて関連病院である静岡日赤外科で3年目を迎えた時、突然、父が設立した光ヶ丘病院を手伝うことになり、かなり焦心していた頃、山本教授に富山医薬大第1外科に来いと誘われたのは光ヶ丘病院ができた昭和56年でした。大学には11年いましたが、静岡日赤で始めていた超音波診断を自由にやらせてもらい、学生に教えた位しかお役に立てませんでしたが、肝癌腫瘍血栓の仕事のほうは先生のおかげでまとめることが出来ました。山本先生は、落ち込むとか、くよくよすることとは全く無縁の方で、長時間の手術も疲れを知らず平気でこなされました。常に低姿勢で温厚な紳士であり、笑顔があり、繊細な面を持ち合わせておられます。深部の結紮法や強い緊張のかかった結紮法は先生から身をもって教わったことや、私が不用意な発言をした時、すぐに謝罪の場を作っていただいたことなどが思い出されます。また、先生は、達筆な上に筆まめであり、ほほえみを送ると、必ずすぐ手書きで丁寧な返事がきます。金沢にお住まいですが、毎日のように富山に来て富山県の多岐にわたる仕事にご活躍ですが、どこにあんなすごいパワーがあるのか、今だに不思議です。

 

理事長  笠島 學