特別寄稿 ほほえみ第48号(2007年8月号)掲載

特別寄稿 ほほえみ第48号(2007年8月号)掲載

2007.08.01

笠島學理事長先生との付き合い

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中国吉林大学第一医院 心臓外科教授 安君

初めて笠島 学理事長先生に会ったのは20年前 笠島 先生と当時富山医科薬学大学(富山大学)第一外科心臓外科を主宰された上山 武史 先生らが、中国延吉市にある延邊大学病院を訪れた時でした。当時中国は世界に自分のドアを開けたばかりの時期でした。ちょっとしかできない日本語、そして下手な発音で患者の術前討論で症例を紹介したことは今でも覚えています。

 

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笠島 先生と知り合ったのがきっかけで翌年の桜の満開のシーズンに笠島 先生のご援助で当時上山 武史 先生主宰される富山医科薬学大学(富山大学)第一外科心臓外科で3ヶ月臨床研修することになりました。専門ばかりでなく、笠島 先生の親切に作って頂いたスケジュールで初めて日本の歴史、文化や自然に触れることができました。短い研修でしたが私の人生でいえば充実な研修でした。その後日本の国費留学生に選ばれて、再び日本に来て4年間の研究を終えて医学博士を獲得したのです。日本に滞在中笠島 先生のご招待で何回も高岡に参ってお世話になったことがありました。私の心には、高岡は私の日本の故郷に思っています。帰国してからも笠島 先生は当時私が勤めていた中国医科大学を訪れ、そして老人病分野でのご講義は素晴らしい評判を受けたことは今でも昨日のことのように覚えています。とくに今年、現在私が勤務している長春市を訪れた時吉林省医学会、吉林大学第一医院、吉林大学第二医院、吉林大学第三医院と吉林大学第四医院(中国自動車グループ医院)の共同主催で開かれた笠島 先生の特別招待講演は160人以上の関連出席者(医師、作業師、看護婦さん)の参加で大成功したのは吉林省リハビリ分野では初めでした。このことは地元のテレビでもニュースとして放送したし吉林大学のインターネットでも記載したのです。特にご講演のラストのスライドでの先生の“日中友好”の言葉は多くの出席者の心を温かくしたに違いないです。笠島先生もその夜の宴会で吉林大学第四医院(中国自動車グループ医院)の楊 教授の先生のこのスライドの“日中友好”の言葉に感動しましたという言葉をおぼえているでしょう。こんな公私混ざった個人の友好関係で色々な分野で交流をするのもいいことではないかとおもいます。20年にわたる笠島 先生との付き合いは、時の流れによってますます深まっていくことは私の人生の宝物の一つです。

 

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中日両国は歴史観などの違いで近年に来て両国関係はあまり良くないのは事実です。だが、これらのことは専門分野や民間交流に影響を与えずに未来に向けて続けていってほしいです。国と国の関係は国の利益ためよい時期とわるい時期がありますが人と人の付き合いは心の交流だと思っています。こんな付き合いは政治などの影響を受けずに純粋な人間同士での交流にするには人類のもっとも素朴なものではないかと思います。私は平凡な医師です。日本での留学経験を生かして、専門分野では勿論、微力ではありますが、中日友好のために努力していきたいのは本音です。

最後に光ヶ丘病院のますますのご発展をお祈りながらこのへんで失礼させて頂きます。

 

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