巻頭言 ほほえみ第66号(平成27年4月号)

巻頭言 ほほえみ第66号(平成27年4月号)

2015.03.25

 新たな気持ちで4月の新年度を迎えますが、今年は3月14日開業の新幹線が初めて我が街を通り花を添えてくれます。准看護師の合格発表は既にありましたが、複数の看護学生の自己採点合格を耳にしているので看護師国試の発表が楽しみです。

 

合格といえば上級認知症ケア専門士が誕生しました。彼を含めて法人の認知症ケア専門士取得者は17名となりました。認知症認定看護師や認知症介護指導者養成研修終了看護師がおり、もの忘れ外来があり、認知症家族を支えるオレンジクラブの開催を年6回開催しており、ユマニチュードケアなどの新たな取り組みも試行しており、法人全体で認知症に熱心に取り組んでいます。

 

政府が進めている「ときどき入院ほぼ在宅」の地域包括ケア構想は徐々に浸透してきましたが、当院は在宅療養後方支援病院の役割をしっかりと果たしていきます。3月に在宅医療を行なっておられる近隣の開業医の先生方と連携の会を初めて開催します(原稿の時点では未来形)。今後は月に1回開催して、顔の見える関係を築き、在宅患者の緊急時の受け入れをスムーズに行うなど困った時の駆け込み寺の役割を果たしていきたいと思っています。それには、ある程度の緊急対応ができる急性期機能を有する質の高い医療・看介護が求められますが、常に質を高める努力をして、多職種連携で生活支援型医療を実践していきたい。

 

基幹病院からは寝たきりで認知症を有する医療処置が必要な重症患者を多く引き受けていますが、最近それに加えて大腿骨頸部骨折や脳卒中の地域連携パス患者も増えました。医療療養病棟は現在取得している在宅復帰機能加算を継続取得していきます。

 

介護保険と医療保険の患者IDの統一がようやく遂行でき、患者データ提出も可能となりました。栄養科や検査などのオーダリングシステムが完了すると、いよいよ電子カルテ導入となります。電子カルテは自院に合ったシステムを作るのが大変で、慣れるまで時間がかかりますが意気のある病院は皆電子カルテを必須ツールとして活用しています。点滴や投薬はバーコード入力となり、より安全な医療を提供できます。カルテの奪い合いが無くなります。当院も遅ればせながら今年末には導入・稼働するつもりです。もちろん、電子カルテがあろうと無かろうと医療人として「ケア」の質の向上を目指して精進することに変わりはありません。いつも言っているように、法人は向上心を持ち、意欲のある職員に支援を惜しみません。

 

紫蘭会理事長  笠島 學