巻頭言 ほほえみ第69号(平成28年7月号)

巻頭言 ほほえみ第69号(平成28年7月号)

2016.08.17

 6月に開催された在宅医療学会とプライマリ・ケア連合学会に初めて参加してきました。地域医療を皆でつくり、新たな専門医となる総合診療医を育てようという意気込みが感じられる活力ある学会でした。

 英国では60年前から全国民が家庭医を登録し、「ゆりかごから墓場まで」医療問題の解決に携わっているシステムが確立しています。オランダでは、住民が家庭医を含む多職種協働プライマリ・ケアに関わり、支え、育てる地域づくりがうまく機能しています。オランダを手本とした日本版プライマリ・ケア分類の試行例の発表もありました。わが国では総合診療医や在宅医を充実させることが待ったなしの状態です。我々は病院や老健などの施設に閉じこもりがちですが、もっと地域に出向き、地域の人たちと一緒に地域づくりをしなければいけないと感じました。当法人は、地域包括支援センターをはじめ、訪問看護・訪問リハ・通所リハ・ショートステイ・ケアハウスなど地域と共に歩む在宅部門があります。また、治療・ケアだけでなく、未病や予防にも取り組み、人間ドックや在宅栄養指導などを拡充させ、地域を育て、地域に貢献でき、地域と共に歩む法人にしていかなければなりません。毎月行なっている認知症カフェに加えて、老人会や自治会がお寺や公民館で催す健康講演や健康カフェに参入し、地域の健康意識を高め、地域のよろず相談所になっていきたいと思っています。

 当然のことながら、職員が医療・ケアの質の向上に精進することが、地域に信頼される法人に求められます。11月から電子カルテが導入され、情報共有が容易にできるので、多職種チームケアがやり易くなりました。認知症認定ナースがいるので、4月から毎週、認知症ケアのラウンド(回診)を始めました。当院には感染管理・看護教育管理・緩和ケア認定ナースもいます。医療安全や感染症や褥瘡や栄養サポートのラウンドをやっていますが、6月から緩和ケアのラウンドも行なっています。

 昨秋、県内で唯一、法人が委託された高岡市認知症初期集中支援チームは十数例の困難事例を認定ナース・社会福祉士・作業療法士・サポート医が依頼元の地域包括の方と知恵を絞って討論を深めています。認知症ケア専門士は3名増えて20名になりました。認知症にやさしい法人と言えるでしょう。心臓リハビリ・呼吸器リハビリ・摂食嚥下リハビリも、かなりの成果を上げており、学会発表ができそうです。

 いつも言ってるように、私は、やる気のある職員、一つ上の資格を目指そうとする職員には、できる限りの支援をしていきます。介護福祉士を目指す人は研修・受験費用を法人負担しますので、是非トライして下さい。

紫蘭会理事長 笠島 學