巻頭言 ほほえみ第42号(平成17年2月号) 『新春雑感』

巻頭言 ほほえみ第42号(平成17年2月号) 『新春雑感』

2005.01.06

去年10月に隣の新潟県を襲った中越地震では多くの犠牲者が出ましたが、24時間職員がおり非常電源が設置されている病院や老健施設は地域の拠点であり、使命感をもって取り組まなくてはならないことを再確認しました。食料や毛布はいずれ支給されるので、電気と水の確保と下水処理をきちんとした形で整備しておきたいと思っています。自家発電装置は病棟の一部だけに配置されていますが、病棟での自家発電の範囲を広げ、厨房や地下水汲み取りにも自家発電を取り入れるつもりです。

介護保険改正が山場にきていますが、介護保険施設入所者に、在宅介護との自己負担不平等解消のため食費・居住費などのホテルコスト徴収を半年遡って10月から実施することが決まりそうです。今はそれほど騒がれていませんが、実施された場合は、大変な混乱が予想されます。一時的に医療保険療養病床を選ぶ可能性もあります。はっきり言えることは利用者や家族は素直に3万から5万円余分に支払うことはありえないということです。料金に見合ったサービスを提供してくれない施設は利用者から見放されるでしょう。安心して療養していただけるよう、我々は安全で隠し立ての無い、質の高い医療・ケアを提供するのは当然の使命です。また、在宅の割安感が理解されると、施設から在宅への流れが出てくるので、訪問リハビリを含む訪問看護や訪問介護、ショートステイ専用棟、通所リハビリなどの在宅サービスの一層の充実をはかりたいと思っています。

富山型民間デイサービスのように、高齢者だけでなく、若年障害者の方も一緒に医療・ケアを提供できないものかと以前から思っています。障害者の受け入れは、既に神経難病などの特殊疾患療養病棟(12月より六床増)で受け入れており、遷延性意識障害者は医療型ショートステイを利用されており、ショートステイ専用棟(光ヶ丘ホーム)では一名だけですが障害者を受け入れたことがあり、訪問介護も以前より障害者をお世話しています。通所リハビリは法律が違うため高齢者と障害者の併用は認可されていないようですが、法の壁を取り払うよう交渉中です。

そして条件がそろえば、前回のほほえみに書いたように、病院北側に来春の新築を考えています。高齢者および障害者を対象とした通所リハビリは、ホールを地域の皆さんに開放したいと思っています。更に、光ヶ丘ホームの移転増床とグループホームおおぞらの移転増床も行い、既存の光ヶ丘ホーム跡に訪問看護・訪問介護・福祉レンタル・居宅介護事業所(ケアセンター)を結集させ、在宅サービスの拠点にするつもりです。

いつも言っていることですが、私はやる気のある職員、向上心のある職員を支援します。特に10年以上経験ある准看は正看への通信教育に是非挑戦してください。今回六名合格したケアマネージャーは何人いても活躍の場があります。介護職員は将来介護福祉士のみが採用の条件となることを念頭において仕事をしてください。一月より介護保険病棟で夜勤者の増員をしましたが、老健おおぞらでも夜勤者の増員を考慮しています。おおぞらは百人に三人のリハビリスタッフを維持できるよう願っています。また、実現の可能性は非常に低いのですが、高岡市地域総括支援センターがおおぞらに委託されるよう、今、活発な活動をしているおおぞら在宅介護支援センターの奮起を期待しています。

いろんな分野で増税・自己負担増がじわりと押し寄せ、将来展望が見えない年になりそうですが、希望と使命感をもって、そして健康で過ごしたいものです。

紫蘭会理事長 笠島 學