巻頭言 ほほえみ第32号(平成12年12月発行)

巻頭言 ほほえみ第32号(平成12年12月発行)

2000.12.01

「おおぞら」に隣接して10月末より工事が始まっていますが、ケアハウス(2階・3階の23室、24人)・グループホーム(1階の6室)の新築、デイケアの移動拡張(1階、当初は30人規模)、在宅介護支援センターの移動、厨房の拡張新築などの複合施設が来秋に完成します。1階と2階は既存施設と連結されるので、既存のおおぞらと一体となった福祉サービスが提供できます。また、ボランティア室も設けますので、地域の交流の場になればと期待をふくらませています。

 

 ケアハウスは、2階部分を中心に介護を要する方の入居を考えていますが、入居者はホームヘルパーサービスや訪問看護やデイケアなど、必要なケアはいつでも受けることができ、いわゆる「ケア無しハウス」ではありません。入居者が地元の京田自治会や老人会へ参加することもお願いするつもりです。

 

 グループホームは痴呆高齢者の方が、家庭的な、暖かい、ゆったりした雰囲気で過ごせるよう、1対1の職員配置で対応します。この小グループでのユニットケアが、これからのケアの主流になっていく期待を込めて、取り組んでいきたいと思っています。

 

 さて、10月から高齢者の介護保険料の半額徴収も始まりました。利用者の権利意識が高まり、利用者や家族の方が納得できる質の高いサービスの提供が求められています。紫蘭会は、患者様や家族の方が、安心して、途切れることの無く、質の高い医療やケアをうけられるよう、在宅部門を一層充実させたいと思っています。10月から、光ヶ丘病院に「ほのぼのヘルパーステーション」が開設され、訪問看護と一体化した訪問系サービスの提供ができるようになりました。そして、あくまで患者様本位の姿勢を貫き、地域に開かれた紫蘭会の施設サービスと在宅サービスがバランス良くスムーズに機能するなかで、地域や医療福祉機関などとの連携を密にし、オンブズマン制度を含めた地域医療福祉ネットワークがより良い形で動き出すことを願っています。

 

 今年度から、おおぞらが全老健の研修施設になり、2度の5日間研修を終えました。座談会で、実習生から入浴方法などについて厳しい意見がでましたが、それらの意見を「こやし」として、今後の質の向上に役立てたいものです。先日行われたおおぞら介護教室では、男性スタッフのみで進行しましたが、他人にみてもらうのは間違いなく職員の向上心を高め、やる気を引き出します。

 

 当法人から、9月の全国老健大会での卒寿入所者に関する発表に続いて、11月の介護療養型の全国集会でも退院後のかかわりと音楽療法に関する2題の発表がありました。大会では抑制廃止やチャイルドテラピーなど盛りだくさんの演題発表・討論がありました。いろんな研修会が開催されていますが、職員の皆さんは大いに参加して見聞を深めて、自分自身の向上に研鑚して欲しいものです。やる気のある職員の研修会参加や発表や資格取得を推奨し、応援したいと思っています。

 

 ところで、情報公開の一環として紫蘭会ホームページを今世紀中(12月中)に開設します。その中に職員の落書きコーナーを設けますので、言いたいことを自由に書き込んで下さい。21世紀に向けて、新しい“いぶき”を吹きこみましょう。

 

紫蘭会 理事長    笠島 學