「待ち」から「町」へ療養型へ転換後の当法人の取り組み

「待ち」から「町」へ療養型へ転換後の当法人の取り組み

2011.11.30

平成11年11月保健・医療集会での発表より 「待ち」から「町」へ療養型へ転換後の当法人の取り組み 医療法人社団 紫蘭会 光ヶ丘病院   理事長兼院長   笠島 學  富山県西部の17万都市の郊外にある当院(237床)は、18年前に一般病院として開院以来、付き添い無しの方針のため、長い間、介護職員の診療報酬が認められず苦労した。入院患者層は次第に高齢者の慢性期疾患が殆どを占めるようになった。平成2年に、病院より4km離れた場所に老人保健施設を開設したが、まもなく高岡市より在宅介護支援センター、ホームヘルプ事業の委託をうけた。  病院は平成9年5月に病棟の一部を移行型の療養棟に転換したことにより、薬に頼らず食堂で食事をとることで患者様の表情が明るくなり、ADLも改善したが、同時に「待ち」の姿勢でマンネリ化していた職員も生き生きとしてきた。患者様の多様なニーズに対応できるように、院内に老人デイケア・訪問看護ステーションを開設し、介護保険の勉強会を頻繁に行い、介護支援専門員は20余名の合格者を得た。また、介護職員にホームヘルパー資格を取るよう勧め、勤務しながらホームヘルパー資格を得た者は15名に達した。  設備面では運よく医療施設近代化施設事業の補助金を得ることができ、平成10年末に完全型療養棟が完成し、引き続き既存棟の改修も行い、4病棟中3病棟を完全型の療養型病床群に転換した。既存棟は8人部屋を4人部屋にしたため、1人当り平均病床面積は、増床前の7平方mより10.7平方mと広くなり、新棟の平均は9.2平方mとなった。既存棟の廊下幅は両側病室の部分のみ2.5mから3mとしたため、多少いびつになっている。計71の身障者用トイレを設けた(患者様3対1提供対応)。新棟は、床暖房付きの食堂兼多目的ホールを中央に配置し、ハートビル法の基礎的基準より厳しい誘導基準を満たしている。  ソフト・ハード面の改善により、患者様を寝かせきりにさせないのが当然という気運が職員に生まれ、入浴は生活リハビリ式浴槽など5ヵ所を使い分けている。リハビリスタッフは病棟担当制とし、病棟内での歩行訓練など、退院を視野に入れ、家庭生活に近づけたリハビリ対応をしている。懸案だった夕食の6時配膳は、時差出勤にして、更に事務・医療技術者の全員が交代で食事介助にたずさわることにより、本年8月からスムーズに実施できた。  ケアカンファレンスは家族の参加を得て行い、老健でのショートステイや訪問看護や自宅改装などを含めて話し合い、家庭復帰が具体化することも多い。  療養病棟は看護6対1、介護3対1であるが、看護職の有資格者で介護職員の登録となっている者が23名おり、手厚い看護体制となっている。介護職員の殆どが介護福祉士を目指しており、あと半年余で受験資格が得られる。  今年1月から10月までケアプラン研修会などに県外研修6件14名、市外研修3件21名を派遣したが、職員教育をより充実させ、ケアの質を高める努力をし、全職員の意識改革を促し、患者様やその家族の方から選ばれる施設となるよう努力したい。今後は、要支援者や痴呆高齢者の受入先を検討するとともに、まず患者様御家族とのつながりを大切にし、情報公開やオンブズマン制度の導入により透明性を高め、ボランティアの協力を得て各種行事を行ったり、介護教室を開いたりしながら地域社会との連携を一層強めていきたい。