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第2回高岡褥瘡勉強会2002.3.21 より


はじめに  方法  (1)体圧管理  (2)摩擦とズレの防止  (3)スキンケア

(4)栄養状態と食事  (5)保湿のケア  結果  考察  まとめ
  褥瘡対策未実施減算の新設


寝たきり患者における褥瘡予防への取り組み 



光ヶ丘病院 1N病棟婦長 中島房代


1N病棟の皆さん

はじめに

 光ヶ丘病院1N病棟は60床の介護保険適応型療養病床である。平均年齢は90歳で、要介護度が4と5の患者が90%(54人)を占め、また、ブレーデンスケールは、8〜14点と極めて低く褥瘡発生の可能性が高い。残り10%(6人)も要介護度が2と3でありブレーデンスケールは1416点と低く褥瘡発生の危険がある。当病棟では、褥瘡発生ゼロ目指して取り組んできた。開設以来5年が経過し、その目標が達成されたので、今回、私達が取り組んできた褥瘡発生予防法について報告します。


方法

【ブレーデンスケールに基づいた褥瘡発生の予測】
14点以
下は、ウレタンマットレスを使用し定時的に体位変換。10点以下は、エアーマットを使用。

【ケア方法のマニュアル化】
以下にあ
げたケア項目(1)〜(5)についてスタッフ全員に教育し理解を得て統一した。


体圧測定器の応用:体圧測定器を用い、各体位における体圧を測定し、患者の状態に応じたオーダーメイドの体位変換を実施。体圧が32mmHg以下になるように枕を使用しポジショニングを工夫した。 エアーマットの点検:電源・底付きの確認、体重と測定圧を器械に貼り提示した。
車椅子への移乗
ブレーデンスケールの可動性と活動性が2点以下で摩擦とズレが1点の患者の場合、車椅子に二時間以上移乗する時は90度姿勢を保持出来るよう背部と足元に枕を入れ工夫した。


・患者の移動

ギャチアップ時のズレ防止
下肢から挙上し、頭側の挙上は30度以下になるようベッドに印を付け、スタッフ全員が分かるようにした。



(3)スキンケア
・入浴時に皮膚の観察
入浴は週2回。石鹸で洗浄後、皮膚を注意深く観察。発赤が見られたら保湿性軟膏を塗布しフイルム材で保護。その後の体位変換は、発赤部位をさけて施行。



・下痢便の対応
撥水性クリームの塗布。
・オムツ交換時の対応
毎回、陰部洗浄と蒸しタオルで清拭。もし、オムツかぶれが見られたら交換回数を増やし、個々の皮膚の状態や排泄物の状況によって、紙か布かを選択。それでも改善ない場合は導尿カテーテルを留置し、改善すれば直ちに抜去。      


(4)栄養状態と食事
・栄養状態の評価
定期的に体重測定と採血検査(血算、総蛋白、血清アルブミン)を実施。
・食事の工夫
食事の形態を患者の状態に応じて変化させ、全量摂取を目指した。また、不足しがちな蛋白質、ビタミン類、亜鉛などは栄養食材(エンジョイムース、カキリコ等)を使用した。


(5)保湿のケア
下肢に冷感のある患者は、腫部と仙骨部に発赤を生じやすいので靴下を着用させ下肢の保温に努めた。 下肢の屈曲は、循環不全を招き腫部の褥瘡発生の要因となるため、膝関節の下に枕を入れ、下肢の伸展に努めた。


【ケアカンファランスと勉強会】

・医師、看護婦、ケアワーカ、栄養士、理学療法士、家族で患者の現状についてカンファランスを開き、問題点を明確にしケアプランを作成した。そして、ブレーデンスケールが14点以上になる様に目標をおいた。
・ケアプランは、介護スタッフ全員が共通のケアを実施出来るように患者のベッドサイドに掲示した。
・勉強会は、具体的に症例を提示し、介護にあたるすべての人を対象に行い、褥瘡に対する理解を深めた。


褥瘡発生件数
平成 9年度  6人
平成10年度  5人
成11年度  4人
平成12年度  2人
平成13年度  0人


考察

・今後もハイリスク患者(ブレーデンスケール14点以下)においては、褥瘡発生を念頭において予防的ケアを実施してゆきたい。
・エアーマットはハイリスク患者において不可欠であるが、現在、当病棟においても20台(貸し出し5台、私物15台)しかなく、慢性的に不足しており今後の課題と考えられた。


まとめ

1.褥瘡発生予測として、ブレーデンスケールを活用することにより褥瘡発生を早期に予防できた。
2.ケア方法をマニュアル化し統一したことにより、スタッフ全員がケアの必要性を理解し継続することができた。
3.スタッフ全員参加によるケアカンファランスと勉強会は、問題点を明確にして解決でき、患者の現状に応じたケアを提供できた。


※褥瘡対策未実施減算の新設

この4月から診療報酬が改定され、各病院での褥瘡対策が評価の対象となる。全入院患者を対象に褥瘡に関する評価を行い、必要な対策を実地する体制を整備することが義務づけられ、これを満たさぬ施設は入院基本料が5点減/日される事になった。
要件:以下の要件の全てを満たしていない場合、減算とする。
(1)病院には褥瘡対策に専任の医師、看護婦からなる対策チームを設置する。
(2)入院患者について、褥瘡対策に関する診療計画を作成し実施すること。
(3)対策チームは、各病棟における褥瘡対策の実施状況を把握し、適切な対策が実施されるよう指導を行うこと。また、「褥瘡対策の状況に関するレポート」を定期的に作成し病院長又は診療所長に報告すること。
(4)必要に応じて、体圧分散マットレス等を使用する体制が整えられていること。