第10回札幌全国老人デイ・ケア研究大会より                     もどる

当施設におけるレクリエーションの取り組み

〜目標が達成された一症例を通して〜

当施設におけるレクリエーションの取り組み
〜目標が達成された一症例を通して〜
富山県 介護老人保健施設 おおぞら
介護福祉士  稲積澄弘
看護師 田中千晶  理学療法士 藪値英子  
介護福祉士 清水武義  
通所リハビリテーションスタッフ一同
生活レクリエーション  生きがい  統一目標
<はじめに>
レクリエーション(以下レクと略す)とは、遊びか られた。まずは集中することを目標に、プログラム
ら価値を引き出し、生活を活性化することである。 1の提供を約2ヶ月間試みた。しかし集中力が持続
 当施設では、歌やゲームなどに集約される一般的 せず5分と椅子に座っている事ができなく、あまり
なレクの充実に取り組んできた。しかし、利用者が 改善が見られなかった。次に、自宅では家事をしよ
楽しんでいるか否かいつも疑問に感じていた。今回、 うとする意欲はあるが全く出来ていないとの家族か
利用者のニーズを把握しレクの充実を図る為アンケ らの情報を聞き、自宅での家事を目標に、プログラ
ートを行ってみた。その結果、一般的なレクだけで ム2の提供を約3ヶ月間試みた。その結果、次第に
なく入浴63%、他者との会話68%など日常生活 笑顔が見られ集中力が持続するようになり、「私、
も楽しみにされている事がわかった。その為、生活 こんながするが大好き。」という言葉が聞かれるよ
の中での生きがいや目標を見付け出すレクを生活レ うになった。また3ヶ月目には自宅でも家事動作が
クとして重点をおいた援助を行い、問題点が改善さ 行えるまでになった。そして以前出来なかったプロ
れてきた一症例を紹介する。 グラム1のパズルや作品作りにも集中して出来るよ
<事例紹介> うになり、帰宅願望や徘徊が見られなくなるまでに
Hさん  80歳  女性   要介護度;2 なった。
病名;アルツハイマー型痴呆、変形性膝関節症 <考察>
   心疾患、高血圧  利用者は、一般的なレクの充実だけではなく生活
家族構成;夫、長男、孫2人  キーパーソン;夫 レクの充実を望んでいる事がアンケートの結果わか
職歴;家庭科教諭、主婦  日常生活自立度;A1 った。それをもとにHさんの生活レクに重点をおい
ADL;移動:独歩・見守り  食事:見守り た生活支援を行った。生活レクのプログラムを作成
   排泄:一部介助  入浴:一般浴・一部介助 するには、Hさんのニーズや関心、家族やサービス
痴呆性老人自立度;Vb 長谷川式スケール;9点 担当者間との情報交換、Hさんの来所時の言動を時
問題点;不穏、帰宅願望、徘徊、見当識障害 間をかけて理解していく必要があった。そしてHさ
    短期記憶障害 んに合った生活レクプログラムを見付け出し、それ
利用開始日;H14.11.30  利用日;週5回 を行う事によって生きがいに感じ心身機能向上にも
Hさんの援助計画内容 つながる事ができた。今回は目標が達成された一例
1)目標:集中してレクに参加する事が出来る。 であったがHさんの目標が他の利用者にあてはまる
  プログラム1 a:裁縫、編物  b:作品作り とは限らない。私達職員は一人一人の生活歴、ニー
         c:パズル  d:塗り絵、はり絵 ズ、関心を把握し、その中から集中可能なレクを選
2)目標:自宅で家事動作を行う事が出来る。 択し実行する必要があると痛感した。今後も生活内
  プログラム2  e:タオルたたみ  f:掃除 での目標、生きがいを導き出し、生きがいのある生
          g:コップ洗い、拭き 活支援に取り組んでいきたいと考える。
<経過・結果>
 利用開始時はゲームには楽しんで参加されていた 【参考文献】今すぐ使える福祉レクリエーション
が、それ以外の時間は帰宅願望や徘徊などが強く見                  著:池 良弘