褥瘡研究 研究発表
医療法人光ヶ丘病院 中島房代 豊田恒良
目的
自力で体位変換の出来ない下肢拘縮患者は痩せていて皮膚のたるみがあり、病的骨突出も強度で仙骨部に褥瘡が発生しやすい。そのため当病棟では、仙骨部の体圧を下げる目的でポジショニングとして膝の下に枕を使用し姿勢保持を行っている。そこで、下肢拘縮患者の褥瘡予防としてポジショニングの効果と寝具の選択について検討した。
対象
入院患者20名、全症例が日常生活自立度C2で下肢に屈曲拘縮を認めた。
方法
全症例に体圧分散寝具として超高機能タイプエアマットレス:ビッグセル-Ex、高機能エアマットレス:トライセル、静止型マットレスを使用した。まず20名を屈曲拘縮の程度として膝関節伸展角度−90度以上10名と−90度以下10名とに分けた。そして、それぞれの寝具でポジショニング有と無しの状態で仙骨部体圧を測定した。測定点は経時的な変化(仰臥位になった直後、2時間後、4時間後)とした。
検討項目
1、ポジシヨニングの有無による体圧値の比較
2、下肢拘縮の程度として、膝関節伸展角度ー90度以上とー90度以下の体圧値の比較
3、体圧分散寝具の種類による、経時的な体圧値の比較
結果
1、全症例で、ポジショニング有は無しに比べどの寝具でも体圧が低下した。
2、関節伸展角度が−90度以上の患者は、−90度以下の患者に比べポジショニングの有無に関わらず体圧は高めであったが有意な差は認めなかった。
3、屈曲拘縮対応モードがあるビッグセル-Exは、下肢拘縮の程度に関わらず他の寝具と比べて経時的な体圧上昇は少なかった。
考察・まとめ
下肢拘縮患者では、拘縮の程度に関わらずポジショニングによる姿勢保持が体圧を低下させ、また寝具では経時的な体圧上昇が少ない超高機能タイプのエアマットレスの選択が褥瘡発生予防に有効と考えられた。
 |
|
 |
|
下肢拘縮
−90度以上
|
|
ポジショニング体位
|

−90度以上下肢拘縮患者のポジショニング体位は、行わない状態に比べ有意に体圧値の低下を認めた。


−90度以下、下肢拘縮患者のポジショニング体位でも、行わない状態に比べ有意に体圧値の低下を認めた。


