学会名:第11回 介護療養型医療施設全国研究会      もどる
平成15年6月12日〜13日 青森市

胃瘻造設患者様の在宅復帰に向けての取り組み

―固形化栄養剤投与の利点―

                   富山県 医療法人社団 紫蘭会 光ヶ丘病院

                     1N病棟 介護支援専門員 道具佳代子
                     介   護   栗田宗典 今井省吾 中井香織
                     看護師長   中島房代


【目的】

胃瘻からの液状栄養剤投与はイリゲーターからの注入とされています。しかし、その注入時間が患者様の活動を制限し、介護者の時間制約ともなり在宅復帰へのネックとなっています。そこで栄養剤にとろみ剤を加え、固形化した状態で短時間投与し、患者様と介護者への利点を検討しました。

【対象と方法】

(研究期間)

 平成14年9月〜平成15年3月

(対象患者様)

 胃瘻造設を受けている患者様5名

 5症例には液状栄養剤投与において以下の問題をかかえていました。

・胃瘻からの漏れがある

・頻回にカテーテルを自己抜去する

・胃切除後状態で投与に時間がかかる

・強度四肢拘縮のため体位により栄養剤の滴下速度にばらつきがある

(方法)

 液状栄養剤に2%のとろみ剤を加え、固形化した状態で、一回量200ml10分間で投与しました。

(検討項目)  

@    職員(介護者)のアンケートによる介護の手間ひまの評価

A    患者様のQOLの変化

B    患者様の身体的症状の変化

C    在宅復帰のサービス、介護面での変化

【結果】

検討項目は固形化栄養剤投与により以下のようになりました。

@    固形化するのに多少時間を要するが、イリゲーターの消毒や滴下速度の確認の手間が省けました。投与時間が短縮されたことによりカテーテルの自己抜去が減少し介護がしやすくなりました。

とろみの内容によっては1日分の作り置きができました。

A    投与中の活動の制限がなくなり、全例、リハビリやレクリェーションの参加時間がふえました。

B    投与時間の短縮により滴下速度のばらつきがなくなり、嘔吐、下痢が解消されました。瘻孔からの漏れも減少しました。しかし、胃切除後の患者様では食道への逆流が生じ苦痛を訴えることがありました。

C    在宅介護においては栄養剤注入中の安否確認がなくなり、御家族様の時間的制約が解消されました。また、患者様はディケアやディサービスへの参加が容易になりました。

【考察・結論】

 栄養剤の固形化により液状栄養剤投与においての問題点が解決できました。今後も経管栄養剤の固形化を取り入れ胃瘻患者様の在宅復帰を勧めていきたいと考えています。